周りの環境が音で分かる!? 視覚障がい者のための眼鏡型ウェアラブルデバイス『Eyesynth』

イルカ

コウモリが真っ暗な洞窟の中でも飛び回ったり獲物を捉えたりできるのは、超音波を飛ばしてその反響音から物体を認識しているから。イルカもそうですね。

エコーロケーションと言うそうですが、このテクニックを使って舌打ち音をたてながら白杖無しで歩く全盲の人が何年か前に話題になりました。

今日ご紹介するシステム、厳密に言うとエコーロケーションによる反響音を利用しているのではないのですが、目が不自由でも音だけで物体を認識できるそうです。

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カメラ映像を3Dデータ化して音変換、ゴーグル眼鏡型デバイス「Eyesynth」

開発しているのは、スペインの The Eyesynth Teamというエンジニアやデザイナーなどの専門家集団。現在、製品化に向けてクラウドファンディングサイト Kickstarterにて資金調達中です。

小型カメラが捉えた映像をリアルタイムで3Dデータ化し、これを音に変換して「立体」「球体」などの物の形を視覚障がい者に伝えます。3Dなので物の形状だけでなく奥行きも分かります。

また骨伝導イヤホンを使用しているので周囲の音も今までどおり聞こえ、長時間装着していても耳が疲れません。

2つの映像モードがあり、Tracking Modeでは顔を上下左右に動かしながら正面にある物体を捉えるのに対し、Panoramic Modeではパノラマ撮影でキャプチャーしてステレオサウンドに変換します。カメラの撮影範囲は 6m, 2m, 0.7mと切り替え可となっています。

説明動画はこちら。英語のクローズドキャプション字幕有りです。PC版のYouTubeでスペイン語の字幕になる場合は、設定(歯車アイコン)より英語字幕に切り替えてみてください。

6分強と長尺ですが、30秒経過あたりに製品イメージアニメ、1分あたりにデモの様子が見られます。

言葉でなく音で物の形を伝えるので、ある程度の学習は必要なようですが、"Plant" "Bottle"まで識別できるとは正直ビックリしました。

動画では、白杖なしで歩き回り木の手前で止まるシーンがありますが、FAQページによると「白杖や盲導犬と一緒に使用することをお勧めします」となっています。バッテリー切れになると危ないからだそうです。

Source:
Eyesynth: Vision Through Hearing by Eyesynth | Kickstarter
Eyesynth. Visión a través de oído

(Top photo courtesy of Pixabay)

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