聴覚障がい者のために、玄関チャイムや電話FAXの着信、赤ちゃんの泣き声などを光や震動で知らせてくれるデバイスがあります。屋内信号装置と呼んでいますが、私が真っ先に思いつくのは、東京信友さんの「シルウォッチ」。
屋内の各所にセンサー送信器を設置しておき、音を感知すると腕時計型の受信器に知らせてくれます。送信器にはコールボタンもあるので、聴覚障がい者向けに限らず、企業が工場や倉庫などで担当者の呼び出しに使っているところもあるそうです。
私は見てなかったのですが、NHKの「ろうを生きる難聴を生きる」という番組でも紹介されたそうですね。
シルウォッチは専用の腕時計型デバイスですが、「OtoSense」のようなスマートウォッチを使ったアプリももちろんあります。
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聴覚障がいや高齢者のための音を知らせるアプリ「Braci Pro」
イギリスの Braci社が開発した、スマートフォンおよびスマートウォッチ用アプリ。スマートフォンやタブレットで音を感知すると、画面が切り替わったりフラッシュライトが点滅し、同時にスマートウォッチにもアイコンメッセージや震動で知らせてくれる。
また、家族や友だちにも同じアプリを入れることで、緊急コールやご飯の呼び出しにも使えます。
1000以上の環境音をプリインストール
検知および比較するための環境音があらかじめ1000種類以上インストールされているので、火災報知器など滅多に鳴らさない音もいざという時にちゃんと感知します。プリインストールされてなくても学習記憶させることで、赤ちゃんの泣き声や電子レンジなどの音を知らせてくれることもできます。
また、屋内モードだけでなく、クラクションや緊急車のサイレンが登録されている屋外モードに切り替えることもでき、それぞれの場所に合った"知らせてほしい音"を絞り込むことで誤検知が減ります。車を運転中に洗濯終了アラームの通知が来ても困りますしね。
リアルタイム検知のためアプリは常時稼働させる必要がありますが、消費電力は抑えられているそうです。
シルウォッチのような屋内信号装置は音のそばに送信器を設置するので2台以上必要だったりしますが、Braciは音を拾うのはスマートフォン1台のみ。煙アラームは最大35メートルの距離からの音を検知できるそうですが、スマートフォンの置き場所によっては感知しない音があるかもしれません。
Braciアプリが良いなと思った点は、スマートウォッチのディスプレイに表示されるアイコン。テキストメッセージでなく、ひと目で分かるアイコンなので、高齢者にも見やすいし、車を運転中であればチラッと見て確認することができます。
スマートウォッチは Pebble、Android Wearが対象。Apple Watch向けは現在開発中となっています。
(※ 2016/11/14追記)
「Braci Pro」が新しくなって「Sound Alert」にアプリ名称が変わったようです。
- 《参考・参照元》
- Smart Ear for deaf poeple | AT&T NYU Connect Ability Challenge
- Braci(※リンク修正)
- Sound Alert(※リンク追加)
(Top photo courtesy of Pixabay)