言葉だけではなかなか伝わらない時、図を描くと話が簡単になるということはよくあります。地図なんかそうですね。
全盲の人にパソコン用語を教える時も、背中に指で書きながら「スタートボタンはこのへんにあって、タスクバーはこんなところに帯状にある」と図で説明すると理解を深めてもらえます。
今日ご紹介するのは、視覚障がい者もフリーハンドで図を描いたり消したりできる筆記用具セットです。
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inTACT Sketchpad
米国バーモント州の E.A.S.Y. Tactile Graphicsが開発。
一見、筆談ボードのような外見だが、スタイラスペンで書くと筆跡が凸状に浮き上がるので、視覚障がい者も書いた内容を触りながら確認することができます。また、黒背景に白い線と、弱視者にも配慮されています。
レーズライターに似ているかも
筆跡が凸状になるというと、「表面作図器(レーズライター)」を思い浮かびますね。学校でノート代わりに、これを使っている視覚障がい者もいらっしゃるのではないでしょうか。
レーズライターはゴム製の下敷きの上に塩化ビニールのシートを載せて描きますが、inTACT Sketchpadも似たような材料を使っているようです。
ただしシートのはさみ方が、レーズライターがクリップボードのように上辺を押さえているのに対し、inTACT Sketchpadは額縁のような上蓋を閉めて四辺を固定するようになっています。
inTACT Eraser
inTACT製品シリーズには、フリクションボールペンのような書いた線を消すガジェットもあります。
4センチほどの太さのあるペンで、アイロンがけのように熱で凸状を平らにして書いたものを消します。また、イレーザーがオンかオフかはビープ音で知らせてくれるようになっています。
ただ、ホットグルーガン並みの熱が出ているとのこと。グリップは熱くないようですが、視覚障がい者は凸状の線を触りながら確かめるので、消す時にペン先に誤って触れて火傷しないかどうかが気になります。
SketchpadとEraserの説明動画はこちら。10分強と非常に長い動画ですが、1:55~2:30 あたりをご覧になるだけでも雰囲気がつかめるかと思います。
(Top photo courtesy of Pixabay)