目も耳も不自由な盲ろう者の電話リレーサービス『CAAG VRS for the Deaf-Blind』

黒電話

聴覚障がい者が電話する時。

メールやFAXがダメで電話しか手段がない時は、電話リレーサービスを利用することがあります。

音声通話を聴覚障がい者や言語障がい者、日本語が不得手な外国人も利用できるようにしたサービスで、オペレーターと呼ばれる人が間に入って通訳してくれます。

電話リレーサービスにもいくつか種類があり、例えばVRS(ビデオリレーサービス)は、テレビ電話を通じてオペレーターに手話で伝えると、オペレーターは相手先に音声で同時通訳します。相手の音声はオペレーターが手話で伝えてくれます。

"電話リレーサービス"という言葉は日本では馴染みが薄いようで、仙台のプラスヴォイスさんは「代理電話サービス」と呼んでいます。こちらのほうがピンとくるかもしれませんね。

ところで、目も不自由な盲ろう者はどうしたらいいのでしょうか?

今日ご紹介するのは、アメリカのVRSサービス業者の話です。

目次


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盲ろう者のためのVRS

テキサス州が本拠の Communication Axess Ability Group (CAAG)。盲ろう者も利用できるVRSサービスを準備中です。

目が不自由な人も使えるようにフォントの大きさや背景色などが変えられるようにし、JAWSZoomTextにも完全対応しました。

JAWS(ジョーズ)はWindows用スクリーンリーダー。画面上のテキストが音声合成や点字ディスプレイで伝えられ、JAWSのキーボードショートカットキーを使えばマウスを使わずにWindowsやアプリを操作できます。

ZoomText(ズームテキスト)はWindows用画面拡大ソフト。日本の弱視者も使っておられる方が結構います。

The Deaf and Hearing Network LLC (DHN) によるインタビュー動画はこちら。

盲ろう者のコミュニケーション手段はいろいろですが、動画の途中に出てくる Kimさんという女性は触手話と点字がわかる人のようですね。

したがって、Kimさんは手話でオペレーターに伝え、相手からのメッセージはオペレーターがテキスト入力、Kimさんはそれを点字ディスプレイで読み取るようです。

アメリカではVRSは、通信料金以外の自己負担はなし、24時間365日のサービス提供が義務づけられているので、Kimさんもいつでも利用できることに大喜びのようです。

日本の電話リレーサービスは公的サービスではない

アメリカのADA法(Americans With Disabilities Act)では、電話リレーサービスは電話会社が用意することが義務づけられ、運営資金は"ユニバーサルサービス料"などから賄われています。

アメリカだけでなく、韓国、タイなど10ヶ国以上で公的サービスとして確立されているのに対し、日本はNPOや民間企業が担っています。

残念ながら事業をたたんだ業者もいて、日本の電話リレーサービスはお寒いです。

現在、Change.orgというサイトで「電話のバリアフリー化を促進する公的電話リレーサービスの義務化」の署名集めを行っているそうですので、ご興味ありましたらこちらの記事もどうぞ。

「電話リレー」を通して人とつながる、世界が広がる
日本財団、聴覚障害者向け電話リレーサービスで総務省に要請

Source:
EXCLUSIVE: First Ever DeafBlind VRS Call Enters Beta Stages Through CAAG – YouTube
Deaf Bayou eNews – Calling All DeafBlind Beta Testers for the New DBVRS!(リンク切れ)

(Top photo courtesy of Pixabay)

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