ショップの数は少ないかもしれませんが、日本でも車いすユーザー用のスーツやジーンズなどを扱っているところはあります。元F3レーサーの長屋宏和氏が立ち上げた車椅子ファッションブランド「ピロレーシング」は新聞やテレビなどで取り上げられたので、ご存知の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
アメリカでは29歳の車いすの女性がブルージーンズを製作し、クラウドファンディングサイトKickstarterで資金調達に成功したそうです。車いすユーザー用のジーンズとはどんなものか改めて見てみたいと思います。
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車いすユーザーに最適なジーンズ「Alter Ur Ego」
21歳のときに自動車事故でT4脊髄損傷になった Heidi McKenzieさん。車いすユーザーに最適でオシャレな衣服を見つけるのが大変困難なことに気づく。元々ファッションに興味のあった McKenzieさんは、ベテランデザイナーの Kristin Alexandra Tidwellさんと一緒に「Alter Ur Ego」ブランドを立ち上げます。
そして Alter Ur Egoから第一弾として発表されたジーンズが、こちらの画像。
Kickstarterのキャンペーンページを見てみると、Alter Ur Egoジーンズには次のような特長があります。
Higher waistline in the back
後ろ股上が深くなっています。健常者も長く座っていると、シャツの背中が出たりパンツが見えそうになったりすることがありますが、車いすユーザーにとって股上が深いズボンは常識かもしれません。
Longer in length
足首が隠れるくらいの長さ。もちろん座った状態の時です。
Elastic waistband
長時間履いても疲れにくい、伸縮性ウエストバンド。
Tummy control panel
椅子に座るとお腹がぽっこり出ることがありますが、これを目立たなくする別布です。
Straps on the inside to help pull your pants up
ウエストラインの内側にある、取っ手のような輪っか。ジーンズを引っ張り上げるのが楽になります。
Catheter opening
カテーテルを通すための開口部。通常のズボンより下の方の位置になっているようです。
No butt pockets, Accessible pockets
座った状態では使いづらいので尻ポケットはありません。その代わり、太ももの上にポケットを付けています。車いすユーザーにとって最適なポケットの位置ですね。尻ポケットの縫い目がないということは褥瘡防止にもなります。
また、太ももの大きなポケットの縫い目が Alter Ur Egoジーンズのデザインの特徴にもなっていて、普通のジーンズとはまた違う趣があります。オシャレを楽しみたい車いすユーザーにとって、人気ファッションブランドの1つになるかもしれませんね。
(Top photo courtesy of Pixabay)