糖尿病とは、インスリンというホルモンの作用が十分でないために血液中のブドウ糖が細胞に取り込まれず、慢性的に高血糖状態が続いている病気です。放置すると、神経障害、網膜症、腎症などの合併症を引き起こすリスクが高まります。
血糖値をコントロールするには小まめなモニタリングが前提ですが、指先に針を刺したり、腹部に電極センサーを埋め込んだりする必要があります。非侵襲の血糖値測定器が企業や大学で研究開発されていますが、測定精度などの問題があって実用化の事例が少ないのが現状です。
今日ご紹介するのは、非侵襲の血糖値測定器に関する話題です。
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非侵襲の血糖値測定器「GlucoTrack model DF-F」
イスラエルの Integrity Applications社が開発した血糖値測定器。欧州ではすでにCEマークの承認を受けていますが、先日 FDA(米国食品医薬品局)に臨床試験の承認申請を行ったというニュースリリースがありました。
GlucoTrackは、センサーが搭載されたクリップを耳たぶに挟むことで血糖値を測定。超音波、電磁、熱技術の3つを組み合わせて測定し、独自のアルゴリズムで血糖値を算出しています。
測定結果は、スマートフォンのようなハンドヘルドデバイスに表示され、目が不自由な人のために音声で読み上げる機能もあります。データは蓄積されているので、グラフ化して血糖値推移を見ることもできます。
プロモーション動画はこちら。GlucoTrackが登場するのは1分経過あたりです。
米国では早くて2016年に臨床試験スタートの予定です。
日本はどうでしょうか。国内企業による非侵襲血糖値測定器の製造販売が先になるでしょうか。
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(Top photo courtesy of Pixabay)