これは珍しい、インプラントを使った骨直結型義足のネコ

子猫

パラリンピックの陸上トラック競技では、同じ義足の選手でもT42/T43/T44と障害の程度によってクラス分けされていますが、義足の構造の違いも考慮に入れているかもしれません。

義足は切断部位によって「股義足(こぎそく)」「大腿義足」「下腿義足」など種類があります。

義足のパーツの中で、足の断端(切断部)を収めるところは「ソケット」と呼びます。これは、着脱が大変だったり、うまくフィットしなくて脚が痛んだり傷ができたりするなどの問題があるそうです。ソケットがなかなか合わず「松葉杖のほうがマシ」と言う人もいます。

[参考] 一般的義足|義肢装具サポートセンター(※リンク修正)

日本での認可はまだのようですが、比較的最近の「骨直結型大腿義足」は、チタン製のインプラントを大腿骨に埋め込み、その接合部に義肢を直接取り付けられるようになっているので、ソケットは不要です。皮膚を貫通しているので感染症などのリスクはありますが、ソケット義肢と比べると自由に歩き回ることができるそうです。

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骨直結型義足のネコ

ペットの義足も何らかの方法で断端に被せるのが一般的です。しかし、大腿部が短かったり足の形状が特殊だと義足の装着が難しくなります。事例がまだまだ少ないようですが、骨直結型義足のネコがネットに公開されていたのでご紹介したいと思います。

ネコの名前は Vincent。3歳の雑種の猫です。小さな子猫の時に後ろ足がない状態で捨てられているのを保護され、Cindy Jonesさんに引き取られます。そしてアイオワ州立大学 Lloyd獣医医療センターの Mary Sarah Bergh医師のもとへ。当初は何も着けずにリハビリを試してみたそうですがうまく行かず、インプラント手術が次善策と判断されます。

人間の骨直結型義足の手術でも、チタンのインプラントを埋め込んで骨に密着するのに6ヶ月。第2段階の手術では義足を取り付けるための部品をインプラントに連結。そして義足を着けてリハビリと、全部で1年から1年半ぐらいかかります。Vincent君も最初の手術が2014年2月なので、1年半以上かかったようです。

現在の姿はこちらの動画。椅子の脚みたいな物を義肢にしています。

おそらく、ネコの成長とともに義肢の長さやデザインも変えていくと思います。

寝転んだり座ったりする時はどんな格好なのかは動画では分からないですが、しっぽをゆらりゆらりと振っているところを見ると Vincent君の今の気分は「満足」なのかもしれませんね。

Source:
Cat that received prosthetic legs at ISU veterinary hospital making strides in recovery | Iowa State University

(Top photo courtesy of Pixabay)

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