発達障害や知的障害のある人のための「感覚にやさしい」映画館

自閉症・ADHDなど発達障害のある子どもを持つ親御さんたちは、「映画は平日のガラガラの時に行く」「一番後ろや出入り口の近くの席に座る」などあれこれ気を使っています。

聴覚や視覚など五感が過敏な人は、館内の暗がりや大音響にプチパニックになったり、突然立ち上がって走り出したりすることが考えられるからです。おとなしく座っていると思っていたら、上映中ずっと耳をふさいでいたり目をつぶっているなんてこともあります。

「今日はちょっとダメかも」とやむなく途中退席し、家でDVDを見て我慢することも。

このように、大きなスクリーンで映画を観たいと思っていても、発達障害のある子どもとその家族にとって心置きなく楽しめる環境が少ないのが現状です。

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Sensory Friendly Movie(感覚にやさしい映画)

英米では、"sensory friendly(感覚にやさしい)"という言葉を冠につけた映画や演劇などが各地で行われているようです。感覚が敏感な人たちに配慮したイベントです。

例えば、ミシガン州など十数ヶ所にある「NCG Cinemas」という映画館では、発達障害や知的障害のある人のために月1のペースで「Sensory Friendly Showings」という上映会が企画されています。

NCG Cinemasさん(@ncg_cinemas)が投稿した写真

どんな特徴があるのかと言うと、NCG Cinemasサイトの「Sensory Friendly」ページに次のように書かれています。

a movie which is shown without previews

予告編なしで本編がすぐに上映されます。

予告編が長いと集中力が切れてイライラし癇癪をおこしたりすることがありますが、そういう心配がなさそうです。

the sound is not as loud as a regular movie, and the lights are not as dim.

音は通常の映画の時よりも低く抑えており、照明も真っ暗になることはありません。

今まで「映画は見たいけど、映画館に入るのが怖い」と言っていた子どもも安心です。

You can also talk, shout, scream and run around the movie theater during these movies!

そして、上映中に喋ったり、大声を出したり叫んだり、走り回ったりしててもOKです。

強いこだわりがあって奇妙な行動を繰り返していても、周りに気兼ねすることなく最後まで映画を楽しめます。実際、床に寝転がってたり、映画は見ずに別のことをして遊んでいる子どもも結構いるようです。

日本でも、保護者たちが地元の映画館を貸し切り "バリアフリー映画会"を開いたりする事例があります。音量や照明の調整など映画館側も協力してくれています。

野外映画会も"感覚にやさしい"かも?

夏休みになると、各地で野外の映画上映会が増えてきますよね。

私もちょっと昔、多摩センターの公園で野外映画を見ました。

夜7時ごろに上映開始だったけどまだまだ空は明るいし、音も近隣に配慮してか当然抑えめ。公園の一角なので人がしょっちゅう通りすぎるけど、別に気にならない。

上映の途中で知的障がい者らしき人が会場内を何度も歩き回っていることに気づいたけど、映画には集中できました。

この野外映画会は特に"バリアフリー上映会"とは謳ってなかったけど、意外と「感覚にやさしい」と言えるかもしれませんね。

「フレンドリー上映」

(※2017/5/15 追記)
最近、「フレンドリー上映」という言葉を目にするようになりましたね。

米国のドキュメンタリー映画『ぼくと魔法の言葉たち』(原作は「ディズニー・セラピー 自閉症のわが子が教えてくれたこと」)の公開に合わせて、一部上映館では《上映中に席を立っても声を出してもOK》という"フレンドリー上映"が実施されているそうです。大手新聞でも紹介されていました。

Source:
Gallatin theater offers sensor-friendly movies for kids with autism | WKRN.com

(Top photo courtesy of Pixabay)

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