耳が不自由な人のために「感じる」ことによって話し言葉が理解できるというウェアラブルデバイスが、アメリカのライス大学で開発中のようです。
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Versatile Extra-Sensory Transducer (VEST)
略称が「VEST」ですが、衣服のベストでもあります。衣服型のウェアラブルデバイスです。
ベストにはコンピューターチップと複数の小さな振動モーターが縫い付けられています。音声はAndroidタブレットで拾い、Bluetoothでベストのコンピューターチップに送信。そこで触覚信号に変換され振動モーターに伝えるという仕組みです。
ただ、VESTは誰でもすぐに言葉がわかるというものではないようです。背中に指で書かれた文字を当てるゲームを連想したりしますが、これとはまた違います。
例えば、右肩あたりの点を感じたら「あ」、右肩と左腰あたりだと「い」というように、振動パターンとそれに対応する言葉をユーザーが事前に学習する必要があります。モールス信号のような長短、スワイプやダブルタップのような振動もあるかもしれません。
スマホやタブレットの音声認識機能を使って相手の話し言葉をそのままテキスト変換したほうがいいような気もしますが、後ろから不意に呼びかけられた場合などはVESTが便利かもしれないですね。
このVEST、2014年10月にクラウドファンディングの Kickstarter で資金調達に成功したようです。
盲ろう者の指点字を思い浮かんだ
この背中にタップして言葉を伝える仕組みから、指点字のことを思い浮かびました。目も耳も不自由な盲ろう者のコミュニケーション方法の一つです。盲ろう者の指を点字タイプライターのキーと見立ててタッピングすることにより言葉を伝えます。
映像は東京盲ろう者友の会のページに紹介されていますので、ご覧になってみてください。
コミュニケーション方法の分類 ≪ 東京盲ろう者友の会 | 東京都盲ろう者支援センター
- Source:
- Rice students develop vest that allows deaf to feel speech | USA TODAY College
- VEST: A Sensory Substitution Neuroscience Project by David Eagleman | Kickstarter
(Top photo courtesy of Pixabay)