NPO代表で漫画家の安藤さん。「聴覚障がいについて多くの人に知ってほしい」とパラパラ漫画『きこえないことって?』『聴導犬って?』の2作品をアップしたところ、公開3ヶ月足らずで動画再生回数3万回超えと大きな反響を呼んでいます。
安藤さんの漫画は、私も雑誌などで数ページ物を何度か見たことがあります。
今回のパラパラ漫画は1000枚ほどの原画で制作されたそうで、しかも英語字幕付き。
海外の人にも見てもらいたいという想いだそうです。
目次
スポンサーリンク
パラパラ漫画(その1)『きこえないことって?』
この動画では、安藤さん自身の幼少時代からのお話から始まっています。
赤ん坊の時、音に反応したりしなかったりで、不安を覚える母親。
あちこち病院をまわり、一年ぐらい経ってやっと難聴と診断される。
大きな補聴器をつけて、親子で言葉を覚える練習。
当時はろう学校でも手話が禁止されていた。耳が聞こえるふりして普通学校へ。
しかし、校内放送とかわからない。
人に呼ばれても気づかず、無視されていると思われる。
いじめも。
口の形を見て会話できるが、思い込みや誤解によって聞き間違いが多い。
また、次のことも訴えています。
- 補聴器をつけていても、言葉をはっきり聞き取れる人は少ないです
- 耳のそばで大声を出すのではなく、口をハッキリあけたり筆談なども交えてほしい
エンドロール中もイラストでお願いごとがいくつかありますので、最後までご覧になってください。
私の場合
私も生まれつき難聴であり、ほぼ同世代なので共感できることがいっぱいありました。
現在では新生児聴覚スクリーニングで難聴かどうか早い時期にわかりますが、当時(昭和40年ごろ)はそのようなものはなく、乳幼児の聴力検査は難しかったと思います。
私も難聴の診断がおりたのは3歳のときでした。
音に反応したりしなかったりだったので、自閉症と疑われたこともあります。
言葉の遅れを少しでも取り戻すために、私の場合は聴能訓練というのを大病院で受けました。小学1年ぐらいまで続きました。
いじめは、どちらかと言えばなかったかな。
ただ、私の不明瞭なしゃべり方を真似するやつがいたので、喧嘩したことはありますけど。
聴覚障がい者もいろいろ
動画でも触れられていますが、
聴覚障がい者には個人差があり、育った時代や環境によっても違う
ということも知っておいてもらえたらと思います。
日本語の読み書きができない、すなわち字幕や筆談もわからず、手話だけという人もいます。
発音がきれいなために難聴であることをなかなか理解されない、中途失聴者もいます。
パラパラ漫画(その2)『聴導犬って?』
盲導犬を見たことがあっても、介助犬や聴導犬は知らないという人は多いかもしれません。
私も普通の街なかでは見たことがありません。
この動画では聴導犬の役割やメリットについて紹介されています。こんなストーリーです。
捨て犬から、音に関心を持つ聴導犬へ。
安藤さんとの合同訓練を経て、聴導犬認定試験へ。
目覚まし時計、やかんの沸騰などの生活音、家族の呼ぶ声、後ろから来る自転車など、いろんな音を知らせてくれる
聴覚障がい者は見た目にはわからないが、「聴導犬」と書かれたオレンジ色のケープで周囲の人は気づいてくれる。
補助犬同伴拒否の店がいまだにある。
手話がわかる聴導犬。(※エンドロールのところで少し出てます)
また、聴導犬が大きな安心をもたらしてくれていること、絆の強さについてもたっぷり描かれています。
こちらの動画もぜひご覧になってください。
(Top image courtesy of Pixabay)