視覚障がい者の中では Androidよりも iPhoneのほうが何となく多いかなと思っていたら、新潟大学の渡辺准教授による「視覚障害者のスマートフォン・タブレット利用状況調査2013報告 (PDF)」でも、そういう結果が出たそうです。特に全盲の方の iPhone利用率が圧倒的に高くなっています。
iPhoneのスクリーンリーダー VoiceOverと比べると、Androidの TalkBackは歴史が浅く、音声読み上げに対応してないアプリも多かったのが原因かもしれません。
なお、先の調査報告では、ガラケーと比べるとスマホやタブレットの利用率はまだまだ低いという話もあります。視覚障がい者にとってスマホは使い勝手が悪いので、なかなかガラケーから乗り換えできないという意見もあるそうです。
今日ご紹介するのは弱視者向けになりますが、電話やメールなど主要な Androidアプリを自前で揃えてアクセシブルな環境を実現しています。
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弱視者や高齢者向けのスマホ統合アプリ「Claria Zoom」
フランスのモバイルソリューション事業者 Clariaが開発した統合アプリ。弱視の方も使いやすいようにと、大きな文字、ハイコントラスト、音声読み上げに対応した Androidアプリをまとめて提供しています。
用意されているアプリは次のように20個ほど。
- 電話、アドレス帳、メッセージ、メール
- カレンダー、天気、GPS、ノート、時計、電卓、ボイスメモ、ファイル検索
- MP3プレーヤー、ニュース、ラジオ、オーディオブック、Webブラウザー
- カメラ、拡大鏡、OCR
文字入力は、キーボードだけでなく音声認識入力も可能。拡大鏡やOCRも白黒反転で見やすくすることができます。Webブラウザーではテキスト部分だけ抽出して読みやすくする機能もあります。
デモ動画はこちら。
画像は極力廃止し、テキスト情報のみ表示という非常にシンプルな画面。操作アイコンも少なめ。大きな文字のために画面からはみ出していても横スクロールなしで読めたりと、操作にストレスが感じなさそうです。
- Source:
- Claria Zoom: Android App for Seniors And People With Low Vision | Assistive Technology Blog
- Claria(リンク修正)
(Top photo courtesy of Pixabay)