「指文字ロボットハンド」など盲ろう者のための遠距離コミュニケーションデバイスがいろいろ考案されています。指点字をベースにしたものもいくつかあります。
いわゆるおバカ系ですが、iPadのオンスクリーンキーボードをリアルに打鍵するタイプライター「iTypewriter」の記事を昔見た時、盲ろう者の指の背に打鍵するデバイスも作れるかななんて思ったりしたこともありました。
今日ご紹介するコミュニケーションデバイスは、指点字と手書き文字を合わせたようなコミュニケーション方法を採用しています。
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盲ろう者のためのコミュニケーションデバイス「Lorm Glove」と「Lorm Hand」
ドイツの Design Research Labが研究開発しているプロトタイプ製品。「Lormアルファベット」を使う盲ろう者のためのコミュニケーションデバイスです。
「Lormアルファベット」というのは欧州の盲ろう者のコミュニケーション方法の1つ。手のひらの特定の位置をタッピングしたりなぞってもらうことで、アルファベットを読み取る方法です。例えば、親指の先だと"A"、人差し指を指先から指の付け根方向へなぞると"B"になります。
盲ろう者が「Lorm Glove」を手にはめて指をタッピングしたりすると、圧力センサーを介してLormアルファベットが翻訳され、Bluetoothを通じてスマホやパソコンに文字列が送信されます。逆にスマホなどからテキストメッセージを受信すると、触覚アクチュエーターによりLormアルファベットが1文字ずつ手に伝えられます。
「Lorm Hand」も同様、Lormアルファベットをテキストに変換してスマホなどに送信されます。Lorm Gloveが双方向コミュニケーションデバイスとすれば、Lorm Handは単方向デバイスでしょうか。メッセージ受信機能はないようですが、Lormアルファベットを覚えてみたい人向けの教育ツールにもなります。
プロモーション動画はこちら。
グローブ型のコミュニケーションデバイスは他にも事例がありますが、Lorm Handみたいに盲ろう者のことやコミュニケーション方法について少しでも興味を持ってもらうために開発したというのは面白いと思います。
(Top photo courtesy of Pixabay)