車いすでエレベーティング機能というと、一般的にはフットレストやレッグレストなどレッグサポート部を上げる機能のことを指します。骨折により足を上げた状態にしたい時などに使われます。美容院や歯科医院の椅子のように背もたれを倒すとフットレストも持ち上がる車いすもあります。
今日ご紹介する車いすは「Elevation」という製品名ですが、足を上げるのではなく、座シートを持ち上げることから付いた名前のようです。
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座面昇降できる超軽量車いす「Elevation」
カナダの PDG Mobility社が開発した手動車いす。ガス圧チェアのように、車いすに乗りながらレバー操作で座シートの高さや背もたれの角度を変えられます。電動車いすだと見かけますが、手動車いすでは珍しいのではないかなと思います。
重量も 10kgと超軽量で、重装備にならずにスッキリとしたデザインになっています。
ワンタッチで座面昇降、スタンディングに近い姿勢に
右側の膝下のレバーをひくことで、座シートを最大10インチ(約25cm)持ち上げることができます。
目線の高さが座位から立位に近くなるぐらい結構高く上げられるので、カウンターで対面する時や棚の上のものを取りたい時などに活躍します。
ただしフットレストの位置は変わらないので、座シートが水平のまま上がるのではなく、ダンプカーの荷台のように傾いていきます。体がずり落ちないように座面のクッションの形も工夫されているかもしれませんが、目いっぱい高くすると立ち上がるような姿勢になるので、足の踏ん張りがきかない人はある程度の高さまでにとどめたほうがいいのかもしれません。
背もたれのリクライニング
左側のレバーを操作すると、背もたれを最大30度倒すことができます。
市販の車いすには、背もたれだけが倒れるリクライニング式、座シートと背もたれが一体になって倒れるティルト式がありますが、Elevationはリクライニング式のようです。
ゆったりとくつろぎたい時や少し姿勢を変えたい時に背もたれを倒します。坂道を下りる時も、一般的な固定式の背もたれだと前傾姿勢になりスピードが出て怖いですが、リクライニング式であれば重心を後ろにかけることができます。
車いすは乗ると座りっぱなしになるので、褥瘡ができたり血液の循環が悪くなったりします。その点、Elevationはいろいろな姿勢をとれるので、体圧分散はもちろん、筋肉や関節の動きも増えて健康面でも効果がありそうです。
- Source:
- Elevation Wheelchair
(Top photo courtesy of Pixabay)