脳機能に障害があると、相手が何を言っているのか理解できず、自分の思っていることも言葉に出来ないことがあります。異国の地に放り込まれたような状態と言えるかもしれません。
けれども知的障がい者の中には、言葉だけではなかなか通じなかったのが、身振りを交えたり絵や写真があると理解できる人がいます。具体的なイメージがあれば結構伝わるようです。
職業訓練の場でも同様、話し言葉だけでなく他の手段も使った配慮があれば上手くいくかもしれません。
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グーグルグラスを使った職業訓練
米国ノーザンイリノイ大学で行われている、特別支援教育に関する研究プロジェクトから。知的障害のある高校生がグーグルグラスをかけて職業訓練を行っている様子が公開されています。
作業の内容は、救急箱に中身を詰めるというもの。消毒ウェットティッシュ、ガーゼ、包帯、冷却シート、絆創膏などをプラスティックケースから取り出し、救急箱の中へ収めていきます。そして、チェックリストに印をつけます。
これら一連の作業を学校の先生やジョブコーチの助言に頼ることなく、グーグルグラスの小型ディスプレイに現れる説明ビデオを見ながら一人で仕事をこなしています。救急箱の中身の種類や数を間違えることなく、箱の中もきれいにきっちりと収められていて、仕事はかなり正確なようです。
作業手順を説明する時、写真よりは動画のほうが分かりやすいですが、それをテレビ画面でなく眼鏡型ディスプレイに映し出して、視線を頻繁に変えずに済むようにすると、知的障がい者も作業がやりやすいようです。
(Top photo courtesy of Pixabay)