点字図書を作成する点訳者さん。
ベテランさんになるほど、パソコンの点訳ソフトはカナ入力やローマ字入力でなく、6つのキーだけ使う6点入力を使います。
6点入力は慣れるのに多少時間がかかりますが、押すキーが少ないのでタイプミスや指の動きも少なく、結果的に速くタイピングできるからです。
視覚障がい者にも、エディターや音声読み上げソフトを使うときに6点入力で操作される方がいます。
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6点入力とは?
① | ④ |
② | ⑤ |
③ | ⑥ |
点字は、カナ、英数字、記号などを①~⑥の6つの点の凹凸で一文字を表しています。
F | J |
D | K |
S | L |
そして、パソコン点訳ソフトでは6つの点に対しそれぞれFDSJKLキーを割り当てています。(※ 人によっては別のキーを使うこともあります。)
例えば「キ」の点字は、キーボードの FDLの3つのキーを同時に押すことにより「⠣」と表示されます。
FDSJKLの6つのキーを同時に押すと「メ」の点字「⠿」になります。
ところが6点入力できるパソコンが少なくなってきた
せっかくパソコンを買ったのに6点入力できないという話が、視覚障がい者や点訳者さんの間で時々話題になります。
パソコンの製造コスト削減のためか、6つのキーを同時押しできるキーボードが少なくなってきているようです。
メモ帳に対して6つのキーを押しても「DK」とか「SKL」などと2,3文字しか表示されません。
結局、点訳者さんたちは次のように対応されています。
- パソコンを買うときは、店頭のデモ機などでメモ帳を開きFDSJKLなどのキーを同時押しして6つの文字がすべて表示されるか確認する
- すでにパソコンを買ってしまった場合は、6つのキーを同時押しできる外付けキーボードを別途購入する
同一メーカーでも機種や製造時期によって違ってくるので、実機で確認したり口コミなどで情報を収集したりする必要があります。
やっかいな話です。
(Top photo courtesy of Pixabay)