上肢障がい者のためのアクセシビリティ機能といえば、iOSでは「スイッチコントロール」や「AssistiveTouch」、Android 5.0では「switch access」が標準搭載されています。また、Androidは比較的オープンなため、端末や支援機器メーカーが独自のUIを開発したりしています。
しかしパソコン向けと比べると、スマートフォンやタブレット向けの支援機器が少ないような印象を受けます。
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上肢障がい者用スマートフォン操作支援アプリ『DOWELL』
サムスンが『DOWELL』を2015年中にリリースすることを公表しました。
DOWELL is an application for smartphones that uses existing computer assistance devices and does not require additional assistance devices for smartphones.
DOWELLでは、Bluetoothでなく USBホストケーブル接続となるので、トラックボールやジョイスティックなどパソコンで使っていた入力デバイスがそのまま使えます。
上肢障がい者の中にはトラックボールでカーソルを移動させることができても、マウスクリック操作が難しい人はいます。DOWELLでは、目的のアイコンでカーソルを1~2秒静止させておくとタッチジェスチャーが自動実行されます。
スマートフォンではタップやドラッグなどいろいろなタッチジェスチャーがありますが、DOWELLでは画面の上端にカーソルを持って行くと、タッチジェスチャーのメニューが現れます。メニューから「タップ」を選び、カーソルを目的のアイコンに持ってくると、そのアイコンが選択実行されるという操作です。
ホームボタンは、カーソルを画面の下端に持って行くとメニューが現れます。
いずれも特に目新しいものではありませんが、端末メーカーが標準搭載することで支援機器メーカーの開発も容易になり、上肢障がい者の利用も広がるかと思います。
デモ動画にある「HeadMouse Extreme(ヘッドマウス エクストリーム)」は、頭の動きだけでマウス入力できる装置です。額や眼鏡のフレームに反射シールを貼り付けておき、赤外線センサーカメラがその動きを検出します。
なおピエゾスイッチなどの入力装置を使っている重度の肢体不自由者には使えないかもしれないので、さらなるDOWELLの開発を期待したいと思います。
(Top photo courtesy of Pixabay)