AACとは?
話し言葉によるコミュニケーションが不自由な人のための手法や道具のことです。
"Augmentative and Alternative Communication"の略で「拡大代替コミュニケーション」「補助代替コミュニケーション」とも訳され、次のようにノンテクからハイテクまでいろんなコミュニケーション方法があります。
- ノンテク技法:"うなずき""身振り手振り""空書"など道具を使わないもの
- ローテク技法:"コミュニケーションボード"や"文字盤"を使った指差し、"筆談"など
- ハイテク技法:"VOCA(ヴォカ)"とよばれる音声出力機能をもった装置、スマホやタブレット用の会話補助アプリなど
今日ご紹介するのは、ハイテク技法の一つです。
スポンサーリンク
AACデバイス「Dustin’s Words」
自閉症でコミュニケーション障害のある兄 Dustinさんのために作ったAACデバイス。今回、多くの言語障がい者のためにオープンソース化したそうです。
筐体の大きさは、ジップロックのサンドイッチバッグと同じぐらい。6つのアイコンが表示されているボタンを押すことにより、自分の意思を伝えることができます。
Dustinさんの場合は、離れたところにいる母親に「頭が痛い」「おなかがすいた」「Mom, I love you」など伝えるために使っているようです。
一見すると VOCA(Voice Output Communication Aids)のようですが、WiFiでスマホにメッセージを送って意思を伝えるツールであり、Dustin’s Words本体は今のところ音声出力機能はなく検討中だとか。ただし、どのボタンを押したかはLEDランプで分かるようになっています。
伝えたいメッセージは歳とともに変わっていくが、ボタンを押した時のメッセージ内容は、スマホ側のアプリで入れ替えるようです。
Arduinoマイコンボード、3Dプリンターによる筐体、Webアプリケーションによるメッセージングと、安価でカスタマイズができ、耐久性にも気を配っています。
Dustin’s Wordsは、ハードウェアのVOCAとスマホの会話補助アプリを融合させた製品と言えるのではないでしょうか。
LICOPALではこんな記事も書いています。
ズボンがドラムになるウェラブル楽器、言語障がい者のVOCAになる!『DrumPants TACS』
(Top photo courtesy of Pixabay)