視覚障がい者が外出で困ることの一つ、道路工事中の迂回路。
いつもの道が突然、柵ができたりカラーコーンが置かれたりすると戸惑ってしまいます。迂回先を示す方向指示板もわかりません。周りの状況がよくわからないまま車道を歩くことになるので、かなり危険です。
警備員がサポートすればいいのですが、彼らも24時間いるとは限りません。
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道路工事中の迂回路「Sight Line for Roadworks」
イギリスのRoss Atkin Associatesによるデザインプロジェクト。視覚障がい者も安心して通れる、ローコストでユニバーサルデザインな迂回路です。
迂回路を示す柵を設けていても、視覚障がい者は柵の外側、すなわち車が通行している車道へ進んでしまうことがあります。
そこで臨時の歩道であることがわかるように、柵の内側にコントラストがはっきりした誘導表示や大きなドットの触覚識別マークを付けています。反対に柵の車道側は無印です。
また、矢印の触覚識別マークで迂回路の始まりと終わりであることがわかるようになっています。
障害当事者が実際にテスト体験してみた様子がこちら。
「わかりやすい」「全英に広めてほしい」と概ね好評のようです。動画では触れられていませんが、GPSやNFCタグなどによって現場情報をデジタル配信することも考えられています。
ドットの触覚識別マークに従って歩けばいいので、目が不自由でも安心感があります。迂回路の始点と終点マークなど誰でもすぐにわかるデザインであり、全国統一で導入されれば視覚障がい者も迷わずに通行できるのではないでしょうか。
プロジェクト自体は2~3年ほど前の話ですが、動画が最近アップされたようなのでご紹介しました。
(Top image courtesy of Pixabay)