夜眠っているのにもかかわらず、日中に耐え難い眠気に襲われる過眠症。代表的なものに「ナルコレプシー」があります。
重要な会議中に居眠りしたりすると「ふざけている」「やる気がない」などと叱責されることもあり、ナルコレプシーも周囲に理解されにくい病気の1つと言えるかもしれません。
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動画「ナルコレプシーはこんな症状」
自分のことを "Sleepy" Sarah Elizabethと呼んで YouTubeに多数動画をアップされている米国女性がいます。彼女もナルコレプシーに悩まされていて、症状が現れた時の様子を撮った動画も公開されています。
動画の冒頭のテロップを意訳すると、
「私は、情動脱力発作を伴うナルコレプシーを患っています。多くの人はどんな病気なの?と聞いてくるし、冗談半分で脱力や居眠りしているところを見てみたいと言う人も。でも、それは笑い事ではないし、ナルコレプシーを知らない人に分かってもらうことはかなり難しいのです。」
「ある時、日本のダンス(よさこい踊り?)のインストラクション・ビデオを撮影中に、偶然にも発作が起きました。皆にナルコレプシーのことを知ってもらいたく、私はこの動画を教育目的のためにそのまま公開することにします。」
いきなり情動脱力発作(cataplexy)が現れて崩れ落ち、しばらくして睡眠発作(Sleep Attack)が断続的に起きます。
何度もしっかり目を覚まそうとしたり発作を抑えようとしますが、記憶が飛ぶ(Memory Bobble)、瞬間的な寝落ち(Micro Sleep)、目まい(Dizziness)も現れて苦しそうです。
最後の方のテロップを意訳すると、
「普段はこんなにひどくないのですが、この時は2-3時間踊った後で疲れて体調が良くありませんでした。この後は休憩を取ったので、残りのダンスビデオを無事撮り終えることができました。」
「もしあなたが、笑う・怒る・驚くといった感情の変化があった時に似たような症状が現れたり、自分もナルコレプシーかなと思ったら、医者に相談してみてください。」
「今のところ完治させる方法はありませんが、対症療法はあります。大丈夫、あなただけではないから。」
ナルコレプシーの主な症状と原因
一日に何回も現れる強い「睡眠発作」のほかに、「情動脱力発作(カタプレキシー)」もこの病気に多い症状です。急に首や手足の力が抜けるカタプレキシーは、興奮したり喜怒哀楽の激しい時に発作が現れやすいそうです。
また通常の睡眠リズムと違うため、寝入りばなにレム睡眠に入ってしまって夢を見る「入眠時幻覚」や金縛りにあう「睡眠麻痺」の症状が現れる人もいます。
情動性脱力発作を伴うナルコレプシー患者さんの約90%で、脳脊髄液の中のオレキシン A の濃度が低いことが知られています。オレキシン神経は、他のいろいろな神経を介して、睡眠と覚醒の調節を行っています。この神経の働きが不十分なため、睡眠発作やレム睡眠関連症状が現れるのです。
(引用元:居眠りじゃない! ナルコレプシーの4大症状をチェック [不眠・睡眠障害] All About)
なぜオレキシンが不足するのかなどハッキリとした原因は解明されていませんが、ナルコレプシーの患者さんは、規則正しい生活を心がけることと適切に薬を服用することで、ほぼ日常の生活が送れるそうです。
いずれにしても、この病気についても周囲の人の理解と協力が必要であることは言うまでもありません。
(Top photo courtesy of Pixabay)