マラソン含む陸上トラック競技では、全盲のランナーには伴走者(ガイドランナー)が付くことになっています。ガイドロープや声で誘導しながら伴走しますが、フィニッシュラインは必ず選手が先に切る、中長距離のレース中は選手より一歩超えて先行してはならないなどのルールがあり、余裕ある走りができるガイドランナーが求められます。
ガイドロープのことを"絆"と呼ぶように、全盲のランナーにとってガイドランナーは非常に信頼のおける人ですが、練習の時はいつも付いてくれるとは限りません。
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視覚障がいランナーをナビゲートするドローン
米国ネバダ大学リノ校の准教授で Human Plusラボの所長でもある Eelke Folmer氏が、ドローンを使ったプロトタイプシステムを開発しています。陸上競技場のトラックレーンを視覚障がいランナーが伴走者なしで走れるよう、ドローンがガイドするというものです。
ドローンはランナーの3m前方を目の高さで飛びながら音で誘導。2台のカメラが装備されていて、1台はトラックレーンを、もう1台はランナーのシャツのマーカーにフォーカスを当てています。またランナーのスピードが変わっても常に一定の距離間隔で飛ぶようにもなっています。
ただ Folmer氏いわく、大学キャンパスが空港に近いため規制によりドローンを飛ばせられず、屋外テストはまだ実施できていないそう。屋内で直線コースはテスト済みだが、曲線のレーンでうまく行くかどうかはまだ確認がとれていないとか。
いずれにしても、視覚障がい者のナビゲートにドローンを活用するとは興味深い話です。
今回のプロトタイプは陸上練習用みたいですが、もし 100mや200m競技で使うとなったらドローンから発する音は選手ごとに分ける必要があるかもしれませんね。
(Top photo courtesy of Pixabay)