全盲の知人を街で見かけたときのこと。
横断歩道の信号が赤なのにスタスタと渡っていた。青かどうかはわからないから、車の音がしなければ問題ないということらしい。
周りに人がいれば声をかけられるが、そうでない場合、このような危ない状況がよくあります。
今日、視覚障がい者の外出支援に関するニュースリリースがありました。
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眼鏡型ウェアラブルデバイスを活用した遠隔ガイドシステム「guide glass」
渋谷のパンタグラフ社が開発したプロトタイプシステムです。
眼鏡型デバイスを装着した人が、その視野の情報と位置情報を他者と共有することで、自分の周りの状況に関する案内や説明を受けることができるプロダクトです。
(引用元:株式会社パンタグラフ)
眼鏡型ウェアラブルデバイスはグーグルグラスを使用。カメラは単発と連続撮影ができ、GPS位置情報と合わせ、装着者の今いる場所や状況をリアルタイムで遠隔者と共有できる。またマイクとスピーカーが内蔵されているので音声通話もできる。
開発のきっかけは目の不自由な人の外出サポートだそうだが、外国人の観光案内、子どもやお年寄りの見守りサービスも想定されるとのこと。
視覚障がい者によっては装着できない人がいるかもしれない
今までの遠隔サポートシステムはスマホを手に持ったりしましたが、これはハンズフリーが特長ですね。
ちょっと気になったのが、ロービジョンの人。
視力が弱い人や視野狭窄の人はグーグルグラスをかけるとますます見えにくくなるのではと懸念があります。
全盲の人も何らかの事情でサングラスをかけている人は、グーグルグラスも装着することに抵抗があるかも。
もちろん、guide glass を試してみたい視覚障がい者はいると思います。そういう人たちにとっては今までで一番便利なシステムになるかもしれません。
他の事例
今回の話題にからんで、視覚障がい者の遠隔サポートについてちょっと調べてみました。
最近あったのがBe My Eyes。視覚障がい者がカメラに写したものを、遠隔のボランティアが見て教えてくれるというビデオチャット・システムです。
リモートで視覚障害者の目になれるボランティアiOSアプリ「Be My Eyes」 – ITmedia ニュース
同じコンセプトで 2013年にTHIRD EYEがありました。こちらはメールで教えてくれるというもの。
3つめの目になろう! 視覚障害者とボランティアを繋げる素敵なスマートフォンアプリ | AdGang
長谷川貞夫さんが2001年に発足されたテレサポートNETは、FOMAのテレビ携帯電話を使ったサービスです。
特に「道を歩きながらのテレサポートは危険」「火の取り扱いも絶対にしない」などのノウハウは大変参考になります。
テレサポートNET(テレビ携帯電話視覚障害者支援・実証実験リポートとノウハウ)
外出支援ではないですが、日本IBMの浅川智恵子さんが中心となったソーシャルアクセシビリティプロジェクトは、Webページで分からない画像があると、ボランティアがテキスト情報を付けてくれるという Wikipediaみたいなサービスです。
日本IBM、視覚障碍者のWebアクセシビリティを促進する試み開始
「guide glass」はグーグルグラスの動向も気になりますが、今後の実証実験の結果が楽しみですね。
- Source:
- Google Glassを使って視覚障害者や旅行者をリアルタイムに遠隔サポートする – 週刊アスキー
- 眼鏡型ウェアラブルデバイスを活用した遠隔ガイドシステム「guide glass」を開発しました | パンタグラフ
(Top image courtesy of Pixabay)