重度のALS患者など手足と言葉が不自由な人のために、意思伝達装置が古くから開発されています。日立の「伝の心(でんのしん)」もWindows95の頃からありました。
入力デバイスも、こめかみなど筋肉のわずかな動きを検知するセンサースイッチなど多種多様あります。視線入力式の意思伝達装置を使用するALS患者さんもいます。
今日ご紹介する意思伝達装置は、最新技術を使いつつ、安価かつモバイルなシステムを目指しているそうです。
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コミュニケーションシステム「EyeControl」
イスラエルのエンジニアチームが開発中の視線入力式意思伝達装置。現在、クラウドファンディングサイト Indiegogoにて製品化のための資金調達中です。
視線を検出する小型のセンサーカメラは眼鏡フレームに取り付けます。制御は "Odroid"というクレジットカード大の小型コンピューターで行われ、ナースコールのようにスピーカーから音を出すことができます。
また、bluetooth経由でスマホにメッセージを送ることもでき、文章は定型文から選択したり、バーチャルキーボードを使って文字入力したりできます。
眼鏡を装着したらすぐに使用できるよう、自動キャリブレーション(視線入力の事前調整)機能も予定されています。
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開発中のためか詳しい説明はまだなく、視線入力システムについてもTobiiのような精度の高いものを採用するのかどうか不明ですが、EyeControlはかなり安価なシステムを目指すそうです。
日本では、"重度障害者用意思伝達装置"も給付を受けられる制度があります。ただし、当ブログの「女児のみ発症する神経疾患「レット症候群」について少し調べてみた」の記事でも触れましたが、視線入力式システムについては市町村判断になり、疾病によっては支給されないこともあります。
EyeControlが製品化され、患者さんの使用に耐えうるものでしたら、自費で購入できる可能性がありますね。今後を期待したいと思います。
- Source:
- EyeControl – Communicate. Anytime. Anywhere. | Indiegogo
EyeControl | REL Relations(リンク切れ)- EyeControl(リンク追加)
(Top photo courtesy of Pixabay)